巻き爪 (足のトラブル)にならないために知っておきたい靴の選び方 その1
巻き爪119の院長の伊藤です。
皆さん、靴を選ぶ時に何に基準をおいていますか?
色ですか?
デザインですか?
ブランドですか?
かたちですか?
正しい靴選びは巻き爪予防には絶対に欠かすことのできません。
靴選びの前に、今回は「足」について基本的なことをお伝えいたします。
現代に生きる私たちは、普段は何も意識せずに歩いています。
今から約600~500万年前に地球上に私たちの祖先が誕生しました。
それから永い時間を経て直立二足歩行を手に入れました。
実はこの直立二足歩行というのは高い知能を持つ人間特有の行為です。
人の足には
① 身体をしっかり支える
② 歩行や運動時に身体のバランスを保つ
③ 地面からの衝撃を緩和させる
という非常に重要な機能が備わっています。
足は建物に例えると基礎にあたります。
基礎が完全でなければ建物が傾いてしまうように、健全な足がなければ人体は傾き、
まっすぐに立つために膝、股関節、腰、背骨などを歪めてかばって立たなければなりません。
それが原因で足の痛み、膝痛、股関節痛、腰痛、肩こりなど、さまざまな問題が発生します。
足の骨と構造
足は26個の骨でできています。
人体でこのようにたくさんの骨で構成されているところは、足のほかには手があるくらいで
それだけデリケートで緻密な構造をしています。
その26個の骨は靱帯という繊維状の組織によって筋肉と連結していてさまざまな動作ができるようになっています。
26個の骨は後足部(足根骨)7つ、中足部(中足骨)5つ、前足部(指節骨)4つ
で組み立てられています。
アーチ(土踏まず)の働き
踵の骨は人体をまっすぐに支えています。
直立二足歩行の人間の全体重を長時間支えて、バランスよくた立っていられるように大きく丈夫な骨で構成されています。
また、着地のショックに対応するために踵には脂肪がついています。
人間が立っているときは、体重を踵、親指の付け根、小指の付け根の3点で支えています。
足部内側にみられる土踏まずは主に内側の縦と横にアーチが作られています。
このアーチが足の弾力性を作り出し、素晴らしい運動能力を発揮するのです。
アーチは直立二足歩行する人類に固有のもので、四足歩行の動物やチンパンジーなどの類人猿にもありません。
また、人間の赤ちゃんにもアーチはありません。
アーチは、直立して大脳を発達させた人類固有の構造です。
前足部は、歩行に必要な蹴りだしのパワーをバランスよく作り出します。
歩いたり走ったりするときは、体重は踵から足の外側に移動し、中足部から小指の付け根に移り親指が地面を押さえて蹴りだします。
こうして人間は前に進み反対側の足の踵が着地して着地の衝撃を吸収して次の一歩につなげます。
足の故障と人体への影響
足の故障の多くは足首が内側に廻り、まっすぐに体重を受け止められなかったり
足裏のアーチが落ち込んで扁平になっていことが原因とされています。
そもそも足底の片足当たりの荷重面積の広さは、成人男性で約100~120㎠、成人女性で約75~90㎠です。
これくらいの狭い面積で、毎日、何十キロという体重を支えさまざまな動作をしています。
人体の構造から考えると、とても不安定で、かつ、常に負担がかかり続けている状態なのです。
その上に不適切なシューズの使用や、悪い姿勢、肥満や間違った歩行などによって
踵が曲がったり、アーチが落ち込んで扁平になると巻き爪やウオノメ・タコなどを誘発し、その痛みを
かばい、立ち方や歩き方がますます不自然になるといった悪循環に陥ります。
しかし、体は直立を維持し、水平を保とうと頑張りますから膝、股関節、腰、背骨、首、肩などにストレスがかかります。
これによって痛みや凝り、しびれなど身体の不調につながります。
患部にマッサージなどを施してもなかなか改善しない場合は「足」に原因があるかもしれません。
足の故障を食い止める方法の一つが「靴選び」にあります。
どのような靴を履いたらいいのか?
次回は本題の「巻き爪にならないために知っておきたい靴の選び方」をお伝えします。